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不妊症 9 (人工授精)

当ハリニックで3ヶ月ほど治療を受け、第一子を人工授精でもうけた39歳女性。この度、第二子を希望して5回ほど人工授精を試みましたが妊娠に至らなかったため、再びご来院されました。

この方のホルモン値は正常でご主人の精子内容も異常はありません。しかし、頸管粘液検査(フーナーテスト)をしたところ、子宮頸部で通過する精子の殆どが死滅してしまうことが判明。自然妊娠は難しいようです。

主な既往歴は小児喘息と鼻炎。今年に入ってから左のぎっくり腰と坐骨神経痛を患いましたが、医療機関にかかることなく、症状は自然に治まったとのことです。大便・小便はともに正常で月経周期は28〜30日。生理痛はなし。

五臓脈診をしますと、左は毛脈で右は子宮機能が正常に働いていないことを示す代脈。脳下垂体、卵巣に問題は無さそうですが、卵巣と子宮を連携するシステムに不具合があることが脈状から診てとることができます。

腹診をしますと、上腹部の胃の処がしこっており、子宮反応点(塚原私穴)にも小さなしこりが認められるのでやはり子宮の機能が低下しているのでしょう。また、卵巣反応点(塚原私穴)はやや虚しています。

脈診に於ける毛脈、代脈、そして腹診に於ける卵巣・子宮の反応点の状態を鑑み、不妊に対して以下の様に取穴しました。


足の太陰脾経・太白穴、
足の少陰腎経・照海穴、上陰谷穴(塚原私穴)、
足の太陰脾経・箕門穴

足の太陰脾経・太白穴、
足の少陰腎経・照海穴、上陰谷穴、
足の太陰脾経・陰陵泉穴、

また、今年に入ってぎっくり腰、坐骨神経痛を患っていますので左の足の少陽胆経・陽陵泉穴を瀉しました。


【治療開始から6日目・治療回数2回】
  生理日から15日目。2日前に人工授精を行ったとのこと。

脈状は左右ともに代脈。毛脈から代脈に変わっているので卵巣−子宮間のシステムの不具合は改善しているようです。子宮機能を維持する為に足の太陰脾経・太白穴に加えて三陰交穴を補い、高温相を維持する為に手の陽明大腸経・手の三里穴(右側)を瀉しました。

【治療開始から13日目・治療回数3回】
  生理日から22日目。体調は良いとのこと。

脈状は左右ともに動脈に変わっています。動脈は妊娠時に現れる脈なのでどうやら無事着床したようです。その旨をお伝えし、全身のバランスを整え、治療を終えました。

ひと月ほど経って、「今日、病院で順調だと言われました」と、お電話を頂きました。

この方は子宮に何らかの障害がある為に妊娠しなかったと考えられるのですが、その原因については不明です。しかし、脈やお腹に現れる経脈の状態を注意深く読み取り、子宮はもちろん、体全体のバランスを整えることで早期の妊娠に結びついたと言えます。


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